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工場の品質管理はなぜ重要?品質管理の「5S」と「4M」についても解説

工場の品質管理はなぜ重要?品質管理の「5S」と「4M」についても解説

2024.12.12

実務

工場の製造ラインにおいて、品質管理は製品の品質を左右する重要な取り組みです。また、適正な品質管理を行うためには、「5S」と「4M」を意識して業務を行う必要があります。

本記事では、工場における品質管理の重要性を解説します。品質管理の重要な要素である5S、4Mについても解説するため、ぜひ参考にしてください。


工場の品質管理とは?


はじめに、品質管理の意味や重要性について解説します。


品質管理の意味


品質管理とは、工場の製造ラインにおいて製品の品質を管理するための取り組みのことで、「QC(Quality Control)」とも呼ばれています。不良品や不適合品の発生を防ぎ、製品の品質を一定に保つことが目的です。完成品を倉庫で管理することだけでなく、製造プロセスの適正化や生産工程の統制も品質管理に含まれます。

品質管理を適切に行えば、顧客が求めている品質の製品を効率的かつ経済的に生産できます。ニーズに合った高品質の製品を出荷することで、顧客からの信頼も獲得できるようになるでしょう。


品質管理の種類


品質管理は、「工程管理」「品質検証」「品質改善」の3つの業務に分かれています。それぞれの内容は以下の通りです。

品質管理の業務

内容

工程管理

・各製造工程の手順や人員配置、設備などの管理

・作業手順の標準化

・作業員の教育や育成

品質検証

・完成品の品質検査

・工程管理や品質検査の監視

品質改善

・不良品や不適合品の未然防止

・不良品や不適合品の再発防止策の策定、実施

上記のうち1つでも欠けた場合、適切な品質管理は行えません。


品質管理と品質保証はどう違う?


品質管理と品質保証では、管理の対象と範囲に違いがあります。

品質保証(QA=Quality Assurance)とは、顧客に対し製品の品質を保証するための活動のことで、原料の調達から製造、販売、顧客が使用するまでの品質を管理します。品質管理が工場内部で製品の品質が出荷基準を満たしているかを確認するのに対し、品質保証は顧客視点で製品の品質がニーズと合っているか示すことが大きな違いです。


品質管理が重要な理由


品質管理は、工場の製造ラインにおいて高性能かつ安全な製品を出荷するために重要な取り組みです。

製品の品質管理を怠った場合、高品質の製品を出荷できないどころか、不良品や不適合品が出荷される事態になり、顧客からの信頼を失いかねません。

また、不適切な品質管理により不良品や不適合品が発生すれば、納期までに納品ができないなど、取引先とのトラブルに発展する可能性があります。取引先からの信用がなくなると、工場の運営や存続自体が危ぶまれるでしょう。

品質管理を適正に行えば、製造工程の早い段階で不良や異常を検知できるため、不良品や不適合品の発生を最小限に抑えられます。製品の品質が安定することで、顧客や取引先から高い評価を得られるようになるでしょう。


品質管理の「5S」とは


品質管理の「5S」とは、品質管理を行ううえで必要な5つの要素をまとめた言葉です。「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の5つで構成され、いずれもSから始まるため5Sと呼ばれています。

5Sを意識して品質管理を行えば、人的ミスの抑制や業務効率化が期待できます。それぞれの内容について、詳しく確認しましょう。


整理


「整理」とは、必要なものと不要なものを分け、不要なものを排除することです。たとえば、作業台の上に使わないものや不必要となったものがあると、邪魔になってスムーズに作業を進められないことがあります。本当に必要なものだけを残しておけば作業がしやすく、効率的で無駄なく動くことが可能です。

整理の対象となる「もの」には道具や備品だけでなく、作業手順や工程などといった物質以外も含まれます。作業手順や工程においても不要な動きを排除することで、業務の効率化が期待できます。


整頓


「整頓」は、必要なものを必要なときにすぐ使えるよう、取り出しやすい状態にすることです。ものを整理しても必要なものが使いにくい、わかりにくい場所にあると、作業を効率的に進められません。誰でもすぐに必要なものを取り出せるよう、何をどこに置くか決め、色付きのラベルなどで示しておくとよいでしょう。


清掃


工場の品質管理では、「清掃」も欠かせません。清掃とは、言うまでもなく室内を掃除し、きれいな状態にすることを指しますが、品質管理の場合は少し違う意味合いがあります。

品質管理の清掃は、掃除によって工場内部をキレイな状態に維持し、整理・整頓を適正に保つことが目的です。清掃は整理・整頓と関連が深いことから、3つまとめて「3S」と呼ばれることもあります。


清潔


品質管理における「清潔」とは、整理・整頓・清掃によって整えられた工場内部の清潔を保つことです。整理・整頓・清掃の3Sを標準化させるための活動であり、これら4つをまとめて「4S」と呼ぶこともあります。

清潔の取り組みとしては、たとえば清潔の判断基準を定めることや、ものの置き場所の表示方法を統一することなどが挙げられます。


しつけ


品質管理の「しつけ」とは、工場内で整理・整頓・清掃・清潔が確実かつ自発的に行われるよう、習慣化させることをいいます。具体的には、5Sの取り組み方やルールについてマニュアルなどを作成し、職場全体に浸透させます。習慣が崩れたり、形骸化したりした場合は、適宜教育を行い、改善を図ることもしつけの一環です。


品質管理の「4M」 とは


品質管理の「4M」とは、製品の製造過程において管理すべき4つの要素のことです。4Mは、「人(Man)」「設備(Machine)」「方法(Method)」「材料(Material)」のMから始まる言葉で構成されています。

4Mを適切に管理すれば、製造過程で異常やアクシデントが発生した場合も、原因究明がしやすくなります。それぞれ詳しく確認しましょう。


人(Man)


4Mのうち「人」とは、文字通り人材を意味します。品質管理では、正しい知識やノウハウを持った作業員が、それぞれの能力に合った製造プロセスへと適切に配置されるよう、人材を管理することが求められます。

また、作業員のスキルを正確に把握することや資格制度を運用することも、品質管理の重要な業務です。人材の管理だけでなく、育成も行います。


設備(Maschine)


品質管理を適正に行うには、設備の管理が不可欠です。設備の不具合は製品の品質のみならず、工場内の安全にも関わるため、日常的な点検と定期的なメンテナンスが必要になります。設備の点検とメンテナンスを適正に行うことは、設備の稼働率や精度の維持・向上につながります。


方法(Method)


方法とは、製品の製造方法や手順のことです。製品が正しい手順で製造されるようにするためには、方法を適正に管理することが欠かせません。具体的には、作業標準書や手順書などのマニュアルを整備し、作業が正しく行われているかを確認します。また、製造方法や手順で問題が起きた場合にマニュアルを変更し、変更後の作業が適正に行われているかをチェックすることも必要です。


材料(Material)


品質管理では、製品の製造に使われる原材料や部品、中間工業品などの資材を適切に管理することも重要です。原材料に混入物はないか、部品・中間工業品はすべて規格の基準を満たしているかなど、製造前に材料の状態を確認します。


その他の品質管理に必要な項目


品質管理には、PDCAサイクル、IE、TQC/TQMの手法も重要な項目です。PDCAサイクルでは「計画→実行→評価→改善」を繰り返し、継続的な改善を目指します。IEは製造工程を科学的に分析し、業務や作業の最適化を行う手法です。TQC(全社的品質管理)とTQM(総合的品質管理)は、全社規模での品質管理を推進する考え方で、現在は経営主導のTQMが主流です。これらを組み合わせることで、効果的な管理を実施することが可能になります。


まとめ


工場において、品質管理は顧客に高品質な製品を提供するために必要不可欠な取り組みです。近年、食品や電子機器などさまざまな分野で高品質な製品が求められていることを踏まえると、品質管理の重要性はますます高まっていくでしょう。

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